6月のワイン会は 長年ジュヴレ・シャンベルタン村で素晴らしいワインを造り続けているドメーヌ、『セラファン』の飲み比べです。
ワインの状態も素晴らしく、畑やヴィンテージの個性を楽しんで頂けたかと思います。では、今回のご提案のワインです。

Refletルフレ D'Antanダンタン
Gevreyジュヴレ Chambertinシャンベルタン VVヴィエイユ・ヴィーニュ 1999
Gevreyジュヴレ Chambertinシャンベルタン VVヴィエイユ・ヴィーニュ 2002
Gevreyジュヴレ Chambertinシャンベルタン VVヴィエイユ・ヴィーニュ 2003
Gevreyジュヴレ Chambertinシャンベルタン VVヴィエイユ・ヴィーニュ 2004
Moreyモレ Saintサン Denisドニ 1erプルミエ Cruクリュ Les Millandesミランド 1999
Moreyモレ Saintサン Denisドニ 1erプルミエ Cruクリュ Les Millandesミランド 2001
Moreyモレ Saintサン Denisドニ 1erプルミエ Cruクリュ Les Millandesミランド 2002
Gevreyジュヴレ Chambertinシャンベルタン 1erプルミエ Cruクリュ Les Corbeauxコルボー 1998


《べレッシュ・エ・フィス》
ルフレ・ダンタン NV
シャンパーニュの若手生産者の注目の1人。「べレッシュ・エ・フィス」。
彼が造るトップ・キュヴェのこのシャンパーニュは ソレラ・システムによって熟成され、深みのある味わいでした。熟した果実、ブリオッシュや トーストの香りが広がり、果実、酸、ミネラルが調和し、絶妙な味わいを堪能できました。
《セラファン》
ジュヴレ・シャンベルタンVV ‘99
村名のVV(古樹)は 樹齢が平均50年のものばかりで造られています。1999年は 初めは控えめで少し閉じていましたが、時間と共に奥に潜んでいた果実がじわじわと現れ、このヴィンテージらしい力強さ、深慮さが出てきます。凝縮された果実、しっかりとしたタンニン、ミネラルが最終的にバランス良く表に出てくれ、充分に楽しく飲めました。
ジュヴレ・シャンベルタンVV ‘02
2002年は始めから外向的な雰囲気で、明るい果実が柔らかく広がり、とてもチャーミングです。赤系ベリーが豊富で、こちらも笑顔になるほどの わかり易く、深みもあり、好きなヴィンテージです。
ジュヴレ・シャンベルタンVV ‘03
猛暑の年、2003年は凝縮された果実と、豊富なタンニンが主体で、穏やかな酸が優しく、全体的には、力強く ボリュームのある味わいです。今、既に熟成感も出始めており、バランスも良くなってきて 飲み頃でした。
ジュヴレ・シャンベルタンVV ‘04
しっかりとした酸が、主体の年である2004年ですが、しっかりとした果実も熟しており、静かさのある味わいに 今 本当に美味しく飲め、早くから姿を現してくれていました。
モレ・サン・ドニ・1er・レ・ミランド ‘99
村の中央に位置する畑、レ・ミランド。ジュヴレ・シャンベルタンよりも丸みを帯び、まろやかさと、柔らか味のある果実を感じます。こちらも時間と共に 優雅さが増し、素晴らしいワインへと変化していきました。
モレ・サン・ドニ・1er・レ・ミランド ‘01
果実と酸と共に落ち着きがあり、優雅で しみじみとした旨味が広がっていきます。今でも凄く美味しかったですが、まだまだ熟成により、複雑味を増していきそうな感じでした。
モレ・サン・ドニ・1er・レ・ミランド ‘02
モレ・サン・ドニ村らしい 親しみのある旨味と 2002らしい外向的なニュアンスを感じ、素晴らしく 楽しくなるような味わいを出しています。
畑(村)の個性とヴィンテージの個性がまさに一体となっています。
ジュヴレ・シャンベルタン・1er・レ・コルボー ‘98
グラン・クリュのマジ・シャンベルタンに隣接するプルミエ・クリュ畑、レ・コルボー。
凝縮された果実と繊細な酸、きめ細やかなタンニンが丸みを帯び、調和されていました。繊細であり、力強く、優雅で、広がりある味わいと、セラファンならではの樽からの ボリュームが、とても複雑で 今まさに美味でした。
◆◆番外◆◆
ブルゴーニュ・アリゴテ ‘09    エマニュエル・ルジェ
 ブルゴーニュ地方を代表し、異才を放つ造り手『エマニュエル・ルジェ』の、アリゴテ。
アリゴテとは 思えぬ果実感と、アリゴテらしいミネラルを備え、素晴らしい味わいです。
シャトー・ポンテ・カネ ‘04
メドック格付第5級ですが、それ以上の味わい、パフォーマンスを感じさせてくれるシャトー。ビオディナミなど 新しい試みを行なうなど素晴らしいワインを造ります。
この2004は、ようやく落ち着きが出始め、果実などタンニンも柔らかく 丸みを帯びてきていますが、まだまだ奥には 凄みあるものを感じさせてくれました。

今回のワイン会は セラファンづくしとなり、心置きなくセラファンの味わいを楽しめました。セラファンと言えば、樽を効かせ、ボリューム感があるので、ワインが姿を現すのに 時が 必要ですが、今回のワイン達は、ヴィンテージ、畑により 味わいの変化が異なり、非常に勉強になり、楽しかったです。
このような体験を皆様と共感でき 嬉しく思います。
次は 9月になりますが、また ご参加、宜しくお願い致します。

2012年6月
小泉 真人