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ホセ・パラシオス 商品一覧

DESCENDIENTES DE J. PALACIOS 

デスセンディエンテス・デ・ホセ・パラシオス

国:Spain  

地域、地区:Castilla-Leon Bierzo  カスティーリャ・レオン地方 ビエルソ

造り手:Alvaro Palacios,Ricardo Perez Palacios アルバーロ・パラシオス,リカルド・ペレス・パラシオス

 

出会い

かねがね、スペインの優れた自然派ワインを探しておりましたが、ようやく自信を持ってご紹介できる造り手にめぐり合うことが出来ました。その名は、舌を噛みそうな《デスセンディエンテス・デ・ホセ・パラシオス》です。

ご存知のとおり、パラシオスといえばプリオラートを代表する傑出した生産者であり、造り手アルバーロ・パラシオスはスペインを代表するワインメーカーとして世界中に認められています(アメリカ『ワイン・エンシュージスト』誌の2003年度ワインメーカー・オブ・ジ・イヤー受賞)。そのアルバーロに甥リカルドが加わって上記の別会社を設け、プリオラートとはまったく違う地域・品種・味筋で最近つくり上げたのが、メンシア種によるビエルソ地区のワインです。

今春イタリアで催された、えり抜きの自然派ワインを集めた国際的な展示会《ヴィーニ・ヴェーリ》で出会い、瞬間的に魅了されてしまいました。自然派特有の風味がじつに洗練され、高雅な威厳すらそなわっていたのです。むろん、アルバーロのプリオラートは前から知っていましたが、その強烈な味わいとインターナショナル・テイストは、正直なところ私の好みとは正反対でした。けれども、彼のビエルソワインに入れ揚げている旧知のフランス人ソムリエが、「それとは違うよ」と強く勧めてくれたので、あまり期待せずに試飲してみました。ところが、これまでに味わったことのない個性と完成度にショックをおぼえ、わが無知を恥じたしだいです。失礼な言い方をすれば、ワインの世界は日に日に進化しているのです。すぐさま、そこに控えていたリカルド・パラシオスにお取引をお願いし、さまざまな経緯をへて、デスセンディエンテス・デ・ホセ・パラシオス社製ビエルソワインは当社の扱いとなりました。ここで、関係者の方にお礼を申しあげます。

もうひとつラッキーなことが重なりました。つい最近、スペインからバラ積み可能なリーファー・コンテナ(LCL便)が登場し、それにリーファー・トラック便を組み合わせることが可能になったのです。したがって、コンディションに万全の配慮した輸送条件でもって、スペインの優れた自然派ワインを皆様のお手元にお届けすることが、ようやく出来ることをご報告いたします。

歴史:

パラシオスを冠するワイナリーは3軒あり、いずれもアルバーロが生産に携わっています。もともとリオハの名家ボデガス・パラシオス・レモンド出身であるアルバーロ・パラシオス(40歳)は、ボルドーのクリスチャン・ムエックスの下で研修をへた後、1988年に実家を去ってプリオラートに独立した《ボデガス・アルバーロ・パラシオス》を築き、『レルミータ』と『フィンカ・ドーフィ』の両ガルナチャ系ワインで、プリオラートとパラシオスの名を一挙に世界に高めました。が、10年してその名声に安住することなきアルバーロは、12歳年下の甥リカルド・ペレス・パラシオスとともに、見捨てられたワイン生産地ビエルソで新ワイナリーを設立しました。ひどい急斜面にある15ヘクタールの自社畑では、樹齢60年を上まわるメンシア種のブドウが、ビオディナミの精神で栽培されています。

スペイン北西部にあり、カスティージェ=レオン域内でガリシア近傍にあるビエルソ地域は、かつて聖地サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡路にあたり、専用の宿泊施設に滞在していた北部ヨーロッパの修道僧らが、ワイン造りの知識や技術とフランス系品種を持ち込んだ由で、黒ブドウのメンシアはカベルネ・フランの亜種ともいわれています。60箇所に散在する畑は、急角度で高度もさまざまなため、ミネラルにとむスレート岩に粘土層がまじり、ところによって石灰質土壌がみられます。降雨量600ミリを超える大陸性=大西洋岸性気候下で緑おりなす山岳地にあるため、奥行きのあるワインにはフレッシュ感と香気が溢れるだけでなく、活気をおびる果汁味としなやかなテクスチュアが伴っています。

 アルバーロが新たにチームを組んだ若きリカルド・ペレス・パラシオスは1998年、アルバーロの父でリカルドの祖父にあたるホセ(2000年に没)の名を冠する《デスセンディエンテス・デ・ホセ・パラシオス》(ホセの跡継ぎたち、の意)というヴェンチャー企業を起しました。ちなみに、リカルドは同じくボルドーで修行しましたが、醸造を学んだのはシャトー・マルゴーです。

 プリオラートとはまったく異質なことを始めようとしていた二人は、急斜面・高樹齢のブドウ・顕著なテロワールという3条件が整っていたビエルソの地を選び、「香気ゆたかで強烈な味わいがあるが、デリケートで独特な品質をそなえる」という、彼ら自身がとても好きなタイプのワインが造れる可能性を当初から信じきっていたのです。

 早くも翌1999年、ビエルソの固有種とされるメンシアを100%を用いた2種類の赤ワインが登場しました。ビエルソ・コルリョン1999という自社畑産ワイン660ケースと、ビエルソ産の買いブドウを用いたDO(村名)ワイン「ビエルソ」1000ケースは、市場で好評を浴び、『ワイン・スペクテーター』誌などからも高く評価されて、順調なスタートを切りました。その後、主として自社畑産ブドウによるコルヨンを造るだけでなく、ひときわ優良な畑からごく少量のクリュ・ワイン(サン・マリティン、モンセルバル、ラス・ラマス、ラ・ファボリーナ)を生み出しました。村名ワイン「ビエルソ」は翌々年の2001年ヴィンテッジのあと中断していましたが、2003年ヴィンテッジから「ペタロス・デル・ビエルソ」(のちペタロス)と名を変えて再登場しました。

なお、所有・醸造・栽培ともに、すべてアルバーロとリカルドがパートナーとして協力しあっておりますが、実質的にはリガルドがイニシアティブと責任を有しております。

ドメーヌ解説:

アルバロの甥であるリカルド・パラシオスが当地で実質的に率い、ビオディナミに則って造られた「ビエルソの華」ともいうべき当ワイナリーについては、すでに当社資料や近刊ワイン専門誌での記事でご存知でしょう。27ヘクタールある自社畑は、コルジョン村の各地(計128スポット)に散在していますが、それらの高度・地質・微気候はそれぞれ大いに異なっているため、リカルドはとりわけクリュ(ラ・ファラオーナ、ラス・ラマス、モンセルバル、フォンテラス、サン・マルティン)別の特徴を反映するワイン造りを志向しています。しかしながら、村名ワイン(ビラ・デ・コルジョン)と地域名を名乗るワイナリー・ブランド・ワイン(ペタロス・デル・ビエルソ)もまた、ワイナリーの個性をゆたかに映し出す、近代的な完成度に溢れるワインです。

:

300ほどの区画があり、そのうち90区画が自社畑。

自社畑の90区画(15ヘクタール)には特に樹齢の高い樹が植わっている。

若い樹で60年

ワイナリー:

重力を利用してジュースの移動を行うため、スロープに建てられた4階建て。

4階(=入り口、通りから見れば1階)にブドウが運び込まれる。選果台は持っていないし、持ちたくもな

い。なぜなら収穫を含め、年間を通して畑での仕事を完全にこなせば、選果台は必要なくなるから。ま

た樹齢の高いブドウ樹にはアルヴィリョやアリカンテなど、他の品種の樹も混じっているため、畑で十分

に選ぶことが必要だから。

醸造

収穫は手摘みで行う。12キロ入りの箱へ入れる。収穫したブドウは自然の冷涼さのおかげで涼しい状態を保たれる。発酵前に7日間ほどマセレーション(何も手を加えない)。

輸入元資料より抜粋