ヴィニャイ・ダ・ドゥリネ社
- オウナー夫妻のこと
- ロレンツォとフェデリカのオウナー夫妻は、本質的なことの追求にしか興味がありません。その目的は、フリウリの〈サン・ジョヴァンニ・アル・ナティソーネ〉という土地の特徴を見きわめ、そこに古来より植わっているブドウの個性と可能性を理解したうえで、理想的なワインの姿に体現していく、という共通の理念を実現することです。そのため夫妻は、労力を惜しまないことはもちろん、一切の妥協を排しながら、状況に応じてつねに科学的な思考と実験を重ね、独特な論理を構成することに、ひたむきな情熱を傾ける夫妻の姿勢には、ヴィニャイ・ダ・ドゥリネという唯一無二の世界を作ってきました。
- 畑のこと【ラ・ドゥリネ】(2ha)は、1997年以来、ロレンツォが祖父から引き継いでいる、平地の畑で、ワイナリー/自宅のすぐ近所にあります。引き継いだ当初は、いわば見捨てられたも同然の荒廃したブドウ園で、各種のフリウリに伝わる伝統的な品種が植わっていました。
- 【ロンコ・ピトッティ】(5ha)は、年老いた友人から手入れを任されて畑。自宅からやや離れた「斜面の高地」(ロンコ)にあり、複雑な地形をしています。至るところに園芸学者にもわからない遺伝的な特質がある古木が入り組んで植わっており、夫妻はそれらのブドウ樹の可能性を熱心に探り、仕立て方と手入れ、収穫法に工夫を重ねています。
- 畑は、特徴をまったく異にする、二か所にわかれています。
- 栽培法
- 栽培と醸造を共同ではじめた当初から、夫妻はビオディナミに取り組んでいますが、それはイデオロギーというよりも、環境を含む固有な土地条件を生かすためと、ブドウ樹の自然な活性を妨げないためです。とくに、ラ・ドゥリネの畑では、野草とクローバーを畑に植え育て、高く仕立てて、葉のトリミングもせずに枝をのばさせるため、鬱蒼とした自然林のような観があります。けれども二か所の畑のなかに立つと、思慮深く生かされている自然のなかに、「浩然の気」が感じられ、人はいよいよ自由な発想と行動へと駆り立てられる思いがします。
- 醸造法(科学の本質に根差した、クラシックの尊重)
- フランスや新世界で20世紀に開発された技法や施設は、ここでは無縁です。もともと医学を志したロレンツォと、シュタイナー学と文化人類学に造詣の深いフェデリカは、表面的な科学に足を取られず、当地に残る伝統的な手法のもつ可能性を、あらゆる面で生かそうとしています。
- ワイン 各品種産ワインは、いずれも個性的ですが、共通して〈繊細さと高雅な味わい〉を体現しており、表面的には矛盾するような対立的なさまざまな要素(たとえば、強さと優雅さ)は、しっとり穏やかで絹のようなテクスチュアの中に、無理なくまとめ上げられて、複雑な味わいをだしています。本領を発揮したときのドゥリネ製の赤・白ワインはともに、天にも昇るような「アエリアル」な高揚感を味わわせてくれます。
- しかし、この持ち味を発揮させるためには、移動・保管・サーヴィスにわたるあらゆる面で、細心の注意と臨機応変な扱い方が要ります。逆に言えば、そのポイントが狂うと、ワインは焦点がずれてバランスを失い、魅力に欠けがちとなります。そのために、各地で催される試飲会や、現地やヴェネツィアのワインバーやレストランでも、注がれたドゥリネのワインは、グラスの中でバランスを欠いて委縮しがちなため、なかなか本領を発揮できないことが常なのです。
- 以上が総合されて生まれたのが、【ドゥリネ・スタイル】ともいうべき、比類を絶した独創的なワインです。
輸入元資料より抜粋