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明日は ワイン会なので造り手紹介です 2

☆フランソワ・カリヨン(輸入もとの資料より)

ついに独立を果たしたピュリニー・モンラッシェの15代目

ルイ・カリヨンといえば、ルフレーヴやソゼと並ぶピュリニー・モンラッシェ屈指の造り手。
ブドウ栽培農家としての歴史は1632年まで遡るという、由緒正しき家柄である。
先代ルイの引退に伴い、2010年にドメーヌは兄弟ふたりの間で分割され、
次男のフランソワが起こしたドメーヌがフランソワ・カリヨン。
ワインを寝かせておくカーヴは曽祖父が使っていたもので、1520年に掘られたカーヴだ。

1988年から父を手伝い、醸造を担当する兄ジャックの傍ら、おもに
ブドウ栽培に専念していたフランソワは、次第にビオロジック栽培へと傾倒。現
在、自身のドメーヌのブドウ畑では除草剤を一切使用せず、トラクター、また場
所によっては馬を使って土を鋤き返している。

当然ながらドメーヌのポートフォリオはピュリニー・モンラッシェが中心であり、
1級にはコンベット、ペリエール、シャン・ガン、ルフェール、フォラティエー
ルを所有。
ルイ・カリヨン時代の特級畑ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェは
兄のジャックに譲り、新たにわずか1ウーヴレ(4a)ながら
シュヴァリエ・モンラッシェを取得した。
また、隣接するシャサーニュ・モンラッシェやサントーバンにも畑を所有するほか、
コート・シャロネーズのメルキュレイもラインナップする。
合計6.5haの所有畑はブルゴーニュでは標準的な規模だが、3ha近くを
村名ピュリニー・モンラッシェが占め(スタンダードな村名ピュリニーのほか、
樹齢45?50年の単一区画ものとして”アンセニエール”がある)、
その他のクリマはどれも数アールから大きくても0.5ha止まり。
クリマごとに入念な醸造が可能となる。

赤ワインも少量造ってはいるものの、ドメーヌの真骨頂はやはり白ワイン。
村名以下はステンレスタンクで発酵後、小樽熟成を施し、一級以上は小樽発酵・
小樽熟成だ。いずれの場合でも酵母は添加せず、自生酵母による自然発酵を待ち、
4週間から6週間をかけてゆっくりと発酵させる。その後の
マロラクティック発酵もスターターを加えないため、乳酸菌の働き次第。
年によっては気まぐれで起きないこともあるという。
クリマごとに新樽率は異なり、ピュリニー・モンラッシェの1級で25%、
村名やサントーバン1級で10%前後。樽熟成期間は12ヶ月に留め、その後、
ステンレスタンクに移して6ヶ月の熟成を続ける。澱との接触は長めにしつつ、
樽香は抑えるという、バランスを重視した熟成法だ。

こうして出来上がるフランソワ・カリヨンの白ワインは、白い花や柑橘系の果実を
思い起こさせるデリケートな風味。口に含むと生き生きとした酸とピュアな
ミネラル感が広がり、ピュリニーの造り手らしく、曲がったところのない
とてもストレートな印象を受ける。
また新たな伝説をピュリニー・モンラッシェにもたらしそうな、有望なドメーヌの
登場である。

2015年11月27日 10:43