「ジョルジュ・ルーミエ」
ブルゴーニュの中でも、特に稀少で人気のあるブルゴーニュの生産者、ジョルジュ・ルーミエでしょう。 この造り手のワインを世界中の愛好家が血眼になって捜しています。
ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエは、1924年、現当主のクリストフ氏の祖父にあたる故ジョルジュ・ルーミエ氏 が妻と共に設立。当初は主にブドウをネゴシアンに売っていましたが、1945年よりワインの瓶詰めを開始、現在ではミュジニー、ボンヌ・マール、アムルーズという、 シャンボール・ミュジニーにおいて最も重要な畑を所有し、さらにモレ・サン・ドニ・ル・クロ・ド・ラ・ビュシエール、 コルトン・シャルルマーニュにも畑を広げている、ブルゴーニュ屈指の造り手となっています。 クリストフ氏は大学卒業後にすぐにドメーヌを継ぎ、1982年、父ジャン=マリー氏とともに、大規模なドメーヌの改革に着手。祖父が引退してから低迷していたドメーヌの評価を、現在の最高のレベルへと引き上げました。
ワイン造りはごくごく自然で、テロワールの持つ個性を表現することを重視。 それでもなお、ジョルジュ・ルーミエらしさを感じられるワインに仕上がっているのは、 化学薬品・化学肥料・除草剤の廃止や果実の質を高めるグリーンハーベストを実践し、さらに、マロラクティック発酵後は果実のフレッシュ感を保つためにラッキング(澱引き)せずそのまま無清澄、無濾過で瓶詰めをするなど、確固とした独自のポリシーをもってワイン造りを行っているから。 こういった自然な造り方は、非常に努力を要するものであり、 勤勉・実直・誠実なドメーヌのみが、このような造り方で成功すると言えます。
そんなジョルジュ・ルーミエの造るワインは、生産量が非常に少なく、1ha当たり平均29hl(ヘクトリットル)。フルボトルにしてわずか3,900本程度しかないという稀少さで、ドメーヌを訪れ、テイスティングをする際も、 残ったワインは樽に戻し、ミュジニーにいたってはテイスティングすらできないほどなのです。