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第231回 尾張屋ワイン会のご報告

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~伝説のワインとお久しぶりのボルドー特集~

 

         今回提案させていただくワイン

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Extrta Brut Las Empreintes 2009 ラエルト・フレール
Sanint Aubin 1er Les Charmois 2011 フランソワ・カリヨン
Puligny Montrachet 2012 フランソワ・カリヨン
Meursault Les Narvaux 2002 ドメーヌ・ドーブネ
Chateau Pougeot 2006 シャトー・プージェ
Chateau Pougeot 2004 シャトー・プージェ
Chateau Pougeot 2003 シャトー・プージェ

 

今回のワインの生産者情報

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http://www.racines.co.jp/producer/france/champagne/laherte_freres.html

 

● ラエルト・フレール

   「ビオディナミというのは、
              実践している本人のセンスが問われる農法だと思うんだ」

ワイナート65号より抜粋

 

 鋭い感性を持つビオディナミの実践家であり、シャンパーニュの次世代を担う期待の作り手です。古代品種の保守にも取り組んでおり、自由な感性をもつ独創的な作り手です。

 

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http://www.firadis.co.jp/quality-wine/france/francois-carillon

 

● フランソワ・カリヨン

「畑がワインのクオリティを造る」

輸入元資料より抜粋

 

 ピュリニー最高峰のカリヨン家を継承し、現代ブルゴーニュを牽引する貫禄のトップドメーヌです。ブルゴーニュの伝統的手法を守りつつ、ビオロジックを行い、今後を期待される新星です

 

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写真:マダム・ルロワ http://item.rakuten.co.jp/umemura/c/0000000660

 

● ドメーヌ・ドーブネ

   「美しい葡萄があれば、ワインは簡単で何の技術もいりません。
              人がワインを造るなど傲慢な考えです。」

輸入元資料より抜粋

 

 マダム・ルロワ個人が所有するブルゴーニュ最高峰のドメーヌ・ドーブネ。アペラシオンの本質を見抜き、畑の個性を十二分に理解し造られるワインは極上の一言に尽きます。

 

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http://item.rakuten.co.jp/wineuki/880331

 

● シャトー・プージェ

「自分自身でもう一度飲みたくなるようなワインを造りたい。」

ワイナート28号より抜粋

 

 マルゴー村の第4級シャトー、ブルゴーニュのような概念でワインを造っています。ボルドー地方では小さい10haの畑から生み出されるワインは、どこか温かみを感じます。

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いつもお世話になります、尾張屋の住廣です。

今回のワイン会は、

なんと

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http://www.miyatakesaketen.com/wbg-leroy-d.html

 

マダム・ルロワ氏が所有するドメーヌ・ドーブネのワインを頂ける事に…

 

今回は担当 小泉の方もいつも以上に気合入れているようです。(^^)

 

 その他にも、品質第一で温度管理を徹底しされている輸入元“エスプリドヴァン”のフランソワ・カリヨン氏、格付け第四級シャトー・マルゴー村のシャトー・プージェのビンテージ違い3本と、どれも普段のワイン会でも主役級のワインばかりで、期待に胸踊ります。

 

と、そ・の・ま・え・に……

 

最近恒例の“ちょこっと補足コーナー”です。

 

 今回はシャトー・プージェのあるボルドー地方・オーメドック地区・マルゴー村についてです。

 

場所は

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http://present-wine-shop.derisomu.com/umaredoshi/haut-brion-1987.htm

http://yumewine.com/

 

 このように大西洋側、ボルドー地方、メドック地区、ジロンド川河口域にあります。

 

 第1級シャトー“シャトー・マルゴー”を筆頭に、21シャトーが存在し、今回頂いた第4級シャトー“シャトー・プージェ”同じオーナーの第3級シャトー“シャトー・ボイドカントナック”等があります。

 

 赤ワインを主に生産しており、品種はカベルネ・ソーヴィニヨン中心で、カベルネ・フラン、メルローと栽培しております。

 

“ガロンヌ河が運んだ土壌はメドックの他の村と同じように葡萄栽培に最適であることは自明なことであるが、マルゴーの特徴はその厚い砂利の層にある。

葡萄は必然的に深く根を下ろす。それが、優美で,柔らかくふくらみがあり、芳香が精妙で、メドックの中で、最も女性的と言われているワインを生み出す。

格付け銘柄のシャトーワインは、芯と腰の強さに、気品と風格、育ちの良さを持っている。”

フランスワインの辞書より抜粋

http://www.french-wine-jiten.com/bordeaux/margaux.htm

 

 セパージュの割合はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、ゆっくりと熟成するものが多いようです。

 

 1855年の格付けにおいて、もっとも多くのワインが選ばれたボルドーでありましたが、1870年代のジロンド川沿いに敷かれた線路によって天然の排水経路が失われ、ワインの品質は落ち栄光に陰が差しました。

 

 しかし、造り手の熱意により1995年、排水溝管理の村自体を説得し、排水管設置工事を行うに至りました。1990年代以降急激な品質向上を見せたのは、この排水管問題が解決したことと無関係ではないと思われます。

 

 今では知る人ぞ知るワインの産地であるメドック地区のマルゴーですが、過去にはこのような苦難の歴史もあったようです。

では改めまして、アピリティフのシャンパーニュから

 

No.1  Extrta Brut Las Empreintes 2009 ラエルト・フレール

   セパージュ:シャルドネ40%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ20%

 

 イースト香・白い花・白桃・蜜・さわやかな青いニュアンスが少し受けられる香りを感じ、アタックは、きめ細かい泡・酸味が口内に広がっていきました。シャープな酸味・少量のミネラル、長く続く酸味・仄かな苦味・味わいが段々と広がっていく・・・そんな印象でした。個人的には晩夏or初秋に頂きたいワインでした。

 

No.2  Sanint Aubin 1er Les Charmois 2011 フランソワ・カリヨン

   セパージュ:シャルドネ 100%

 

 香りは白い岩のようなミネラル・仄かに青いハーブ・果実の甘いニュアンス・火打石を感じました。口当たりまろやかで丸いニュアンス・果実の甘み・柔らかなミネラル・複雑味を第一に感じ、やさしい酸味・段々と広がっていく果実味、酸味は長くは残らないですが、果実味とミネラルのニュアンスが程よく残る感じで全体的に優しく女性的なニュアンスでした。

 

No.3  Puligny Montrachet  2012 フランソワ・カリヨン

   セパージュ:シャルドネ 100%

 

 青いハーブ(酸味のあるレモングラス的)・果実味は少なく、白い花のようなニュアンス、樽のニュアンス・少量の火打石を感じました。口当たり硬く・水晶のようなミネラル・シャープな酸味、骨格・フィネス、果実のニュアンスは少ないが、酸味・ミネラルのニュアンスが比較的長く残る感じで、少し硬く骨格もあり男性的な印象でした。

 

No.4  Meursault Les Narvaux 2002 ドメーヌ・ドーブネ

   セパージュ:シャルドネ 100%

 

 乾燥ハーブ・熟成香・樽香・重油・火打石・穀物のニュアンス・濃厚な果実(熟した果実orコンポート)・ミルキーなニュアンスを香りから感じ、口に入れた瞬間の空気のような軽やかさ、凝縮された果実味・豊かな酸味・柔らかいミネラルを感じ、お肉を食べたようなボリューム感・厚み・複雑味・フィネスを感じ、長く長く残る余韻、果実味・ミネラル・酸味が複雑に絡み合いどこまでも続いていく.・・・そんなワインでした。秋の夕暮れの穀物畑での収穫風景が見えるような、どこか暖かく・どこか懐かしい・心温まる印象を受けました。

 

個人的にはミレー作「落穂拾い」の情景が広がってきました。

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(http://art.xtone.jp/artist/archives/jean-francois-millet.html)

 

No.5  Chateau Pougeot  2006

   セパージュ:カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー30%、カベルネ・フラン10%

 

 黒系果実・軽くコショウ・ミルキー・動物的な要素、コーヒーのような香ばしいニュアンスを感じ、口当たりは丸く果実の甘みが多く、仄かな酸味・ミネラル、タンニンは細かいが少なく、味わいが段々と広がっていくニュアンスでした。程よく長い余韻が続く・・・綺麗なワインでした。

 

No.6  Chateau Pougeot  2004

   セパージュ:カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー30%、カベルネ・フラン10%

 

 黒系果実のコンポート・ミルキー・動物的な要素・ローストしたコーヒーのような香ばしさ、口当たりは軽く、味わいは丸よりも球体的で果実の甘み・酸味・タンニンがまろやかに感じられました。酸味が特徴的でそのニュアンスが最後まで続いていくそんなワインでした。エレガントというニュアンスが近いと思います。

 

No.7  Chateau Pougeot  2003

   セパージュ:カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー30%、カベルネ・フラン10%

 

 黒系果実のコンポート・ミルキー・動物的ニュアンス・少量のコショウ・熟成焙煎したコーヒーのような深み香ばしさを感じました。口当たりは空気のように軽く、シルクのような滑らかさ、タンニンは少し多く感じてきましたが、きめ細かく、酸味も穏やかで複雑味もあり、味わいの深みが増し骨格がハッキリとしていながらも、依然として優しく、後から後から広がっていく味わいが長い余韻を作り出しているように感じられました。

 

 熟成が進むにつれ、味わいは深く複雑に変化し、口当たりは軽やかになっていき、でも全体としての優しさは変わらず、むしろ深くなっていくように感じました。このワインは女性的な印象が強かったので、ワインのビンテージが古くなればなるほど、少女から大人になってゆく・・・そんな大人の階段を登っていく様を印象に受ける、そんな飲み比べでした。

 

個人的には“No.7  Chateau Pougeot  2003”が好みでした。優しいニュアンスに癒されてしまいました。

 

この他にも、番外編と題しまして色々開けたようですが、そこは参加してのお楽しみということで・・・・・

 

またの御参加&初めての御参加、心よりお待ち申し上げております。

 

尾張屋  住廣

2015年11月28日

 

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2015年12月22日 13:41